幸せを感じることができても、それはずっと続くわけではありません。
むしろ、ずっと幸せであり続けることは難しいことかも知れません。
ここでは、幸せを感じ続ける(幸せであり続ける)ことが、なぜ難しいのかについて話をします。
「幸せを感じる仕組み」の章で、幸せを感じるためには、
・自分の欲望を知る。
・自分の欲望に関連づいた刺激が得られる思考や行動をとる。
・思考や行動は、ちょうど良い強さの刺激を得られる方法をとる。
ことが必要になるという説明をしました。
つまり、幸せを感じ続ける(幸せであり続ける)ためには、自分の欲望に関連づいた刺激をちょうど良い強さで得ることを続けることができればよいわけですが、それを実行するのが難しい理由があります。
それは人の欲望は尽きることがないということです。
人は、ある欲望が満たされると他の欲がでてきます。
例えば、赤ちゃんのころは食欲、睡眠欲など生理的・本能的な欲望が主だったと思います。
しかし、大きくなるにつれて、おもちゃを欲しがる(物欲)、ゲームで勝ちたいと思う(優越欲)ようになります。
大人になって、会社に勤めたとすれば、会社で出世したい(名誉欲、支配欲)と思うようになるかもしれません。
こうなると、食欲や睡眠欲が満たされただけでは幸せは感じられません。
性欲や物欲、名誉欲、征服欲…いろいろな欲望が、多かれ少なかれまんべんなく満たされていないとなんだか物足りないと思うようになってしまうのです。
また、人の尽きない欲望は、より強い刺激を求めるようになっていきます。
例えば、おいしいものを食べると、さらにおいしいものが食べたいと思うようになります。
同じことしているだけでは刺激に慣れてしまい欲望を満たせなくなってしまうのです。
幸せを感じ続ける(幸せであり続ける)ためには、より広く、より強い刺激を求めるようになる自分の欲望に応え続けていくことが必要になります。
ここまでの話だと、なんだか欲望を持つことが悪いことのように思えてきます。
しかし、そうではありません。
人の尽きない欲望が、人が成長しようとするエネルギーになるからです。
人類の進化も欲望がもたらしたと言えるかもしれません。
誰でも成長のために様々な努力をしていると思います。
どうせなら、努力した結果、幸せを感じたいものです。
そのためにも、幸せを感じる仕組みを理解して、幸せを感じられるような努力ができるようになってください。