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内向型を知る

内向型は気質なのか

内向型人間と外向型人間の違いは「刺激」に対する「敏感さ」の違いです。
この違いがどういうものかについては「内向型と外向型の違いは何か?」という章で詳しく述べていますので、そちらを参照してください。
ここでは、内向型人間と外向型人間の違いが何によって作られるのか、内向型というのは生まれ持った気質なのか?ということについて考えていきます。

内向型人間と外向型人間の違いは「刺激」に対する「敏感さ」の違いだと説明をしましたが、では「刺激」はどこで感じているのでしょうか。

それは脳です。

視覚、聴覚、痛覚などからの刺激だけではなく、楽しさや悲しみなど(心で感じているといわれるもの)の刺激も結局は脳で処理しています。
昨今は脳に関する研究が進んできており、外界から受けた刺激を脳がどの部分で処理しているかについても分かってきているようです。
そういった研究について調べていくと、これが内向型人間と外向型人間の違いなのではないのかと思われるものがあります。
それは、外界から受けた刺激が脳に入ってくるときの「刺激の通り道」の太さと、脳に入ってきた刺激を処理する時の脳内の「処理経路」の長さの違いです。

脳への「刺激の通り道」が太いと一度に多くの刺激が入ってきやすくなります。
脳内の「処理経路」が長いと刺激を長い時間感じることになります。
また、「刺激の通り道」が太いとも「処理経路」長くなる傾向があるそうです。
相対的に「刺激の通り道」が太い、脳内の「処理経路」が長い人ほど「刺激」に「敏感」になります。
これが内向型人間であるということであると思います。

相対的に「刺激の通り道」が太い、脳内の「処理経路」が長い人ほど「刺激」に「敏感」になるということについては、実験でも確かめられています。
「刺激の通り道」が太い、脳内の「処理経路」が長い人は、逆の人(「刺激の通り道」が細い、脳内の「処理経路」が短い人)と比べて光や音などの刺激に対して過剰に反応するということ分かっているそうです。
また、面白いことに「刺激の通り道」が太い、脳内の「処理経路」が長い人が成長しても、「刺激の通り道」の太さ、脳内の「処理経路」の長さはあまり変わらないのですが、同じ刺激に対しては過剰に反応しなくなることが分かっています。

これは経験を積むことによって、刺激に慣れてくることを意味していると思います。
また、この「刺激の通り道」が太さ、脳内の「処理経路」が長さは、遺伝的に子供にも引き継がれるそうです。
内向型人間の子供は内向型になりやすく、外向型人間の子供は外向型になりやすいということです。
(内向型と外向型の両親の場合は、中間ぐらいの子供になるのかもしれません)

つまり、内向型というのは気質であり、生まれ持ったものであるということになります。
また、内向型であるという気質は変えられないが、経験を積むことによって、その気質を隠す(外向型のように振る舞う)ことは可能であるということも分かります。

なぜ、内向型、外向型という気質が存在しているのでしょうか。
それは多様性によって種を残そうという自然の力だと思います。

例えば原始時代を想像してみてください。
今とは違いスーパーなどはないですから狩りをするわけです。
このとき内向型人間は刺激に弱いため、外向型人間と比べるとあまり狩りに出ようとはしないかもしれません。
もしくは狩りに出てもあまり遠くには行かないかもしれません。

これにより、内向型人間は、獣などに襲われる危険は少ないかもしれませんが、獲物を捕らえる確立も低くなるかもしれません。その結果、餓死するかもしれません。
逆に外向型人間は頻繁に遠くまで狩りに行くので、獲物を捕らえることは多いかもしれません。
しかし、獣に襲われたり、崖から落ちたりして帰って来られなくなることが多くなるかもしれません。

このようにどちらもメリット、デメリットがあります。
このため、内向型、外向型という気質が存在し、それぞれのメリット、デメリットを活かして、自然界で繰り返される気候などの安定や変動に対応し、全体としてバランスがとられているということなのでしょう。(こういった自然の仕組みにはいつも感心させられます)

内向型人間は強い刺激を求めない。安定した世界で快適に生きることができる。
外向型人間は刺激を恐れない。競争や変動が激しい世界で快適に生きることができる。

このように考えると、世界や社会の状況によって、内向型か外向型かで有利不利が生まれそうな感じはします。
結局、全体的に長い目で見ればバランスがとられているというこなのだと思いますが、一人一人の人生で考えるとそうはいきません。
自分の気質に合うように世界や社会が変わるのをのんびり待つわけにはいかないのです。

内向型であるという気質は変えられませんが、幸いにも経験を積んだり、うまいやり方を身につけることによって気質を隠すことはできます。
内向型の人間でも外向型が有利な状況では外向型のように振る舞うことができるようになるのです。
ただし、内向型という気質を持っている以上、外向型のように振る舞うための経験を積んだり、うまいやり方を身につけるための努力は苦しく感じるでしょう。

内向型というものをきちんと理解することで、心地良さ(幸せ)を感じながら、効率的に外向型のように振る舞うための経験を積んだり、うまいやり方を身につけることはできます。
このサイトでは、内向型人間がどのように思考し、行動していけば、心地良さ(幸せ)を感じながら効率的に成長していくことができるかを記載しています。
ぜひ参考にしてください。


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